取り組み

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2025.08.01

【プレスリリース】「Kanagawa Model」が始動 ─ ACS患者の再発予防を目指す新たなケアパスウェイ(連携パス)を神奈川県で発表

目次

    一般社団法人日本循環器協会(JCA)は、循環器疾患の予防・啓発・医療連携の強化を目的として、各地域に根ざした取り組みを推進しています。
    このたびJCAが後援した「ACS Care Pathways『Kanagawa Model』Launch Meeting」が2025年7月30日(水)に神奈川県で開催され、新たなACS患者向けのケアパスウェイ(連携パス)「Kanagawa Model」が正式に発表されました。

    本イベントは、JCA予防啓発委員会の活動の一環として実施され、JCA神奈川県支部 支部長の伊苅裕二氏(東海大学医学部 内科学系循環器内科学)が中心となり構築された新モデル「Kanagawa Model」が披露されました。

    「Kanagawa Model」は、ACS(急性冠症候群)患者に対する再発予防を主眼に、循環器診療の質の向上と地域医療の均てん化を目的としたケアパスウェイ(連携パス)です。特に脂質管理の中核であるLDLコレステロールに対しては、欧州などの国際ガイドラインを参考に「The Lower, The Better」「Strike Early and Strike Strong」の考え方を導入し、55mg/dL未満という目標値が設定されています。

    この取り組みに先立ち、全国47都道府県のJCA支部長に対して、ACS患者の包括的治療および医療機関間の連携体制に関する実態調査が実施されました。その結果は、2025年1月にCirculation Journal誌に掲載されました(Minami Y. et al., Circ J. 2025 Jan 28. doi: 10.1253/circj.CJ-24-0714)。本論文は、日本循環器協会として初めての学術論文掲載となります。

    「Kanagawa Model」は、専門医だけでなく地域のかかりつけ医との連携を通じて、実臨床に根差した包括的な診療モデルとして全国への展開が期待されています。
    JCAでは今後も、調査・研究・啓発活動を通じて循環器疾患の克服に寄与し、誰もが安心して医療を受けられる社会の実現に貢献してまいります。

    ■関連リンク
    • 日本循環器協会(JCA)公式サイト:https://www.j-circ.or.jp/jca/
    • Circulation Journal掲載論文(CJ-24-0714):https://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/advance-publication/0/advance-publication_CJ-24-0714/_article
    • 東海大学医学部 内科学系 循環器内科学:https://www.u-tokai.ac.jp/

    ■企業情報
    団体名: 一般社団法人 日本循環器協会(Japan Cardiovascular Association)
    設立: 2022年
    所在地: 東京都文京区本郷3丁目3番11号
    活動内容: 循環器病の予防・診療・研究・啓発のプラットフォーム運営、地域医療との連携促進
    公式サイト: https://www.j-circ.or.jp/jca/

    ■用語解説
    • ACS(急性冠症候群):
     心臓の冠動脈が急激に閉塞または狭窄して起こる病態で、心筋梗塞や不安定狭心症などが含まれる。早期診断・治療が生命予後を大きく左右する。
    • ケアパスウェイ(連携パス):
     疾患に対する標準的な治療や検査・紹介・指導などの流れを医療機関間で共有・連携する仕組み。医療の質と効率の向上、患者の安心に資する。
    • LDLコレステロール:
     「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、動脈硬化の原因となる血中脂質の一種。目標値を低く維持することが心血管イベントの予防に重要とされる。
    • The Lower, The Better:
     LDLコレステロールの目標値は、低ければ低いほど心血管イベント予防に有効であるという国際的な臨床概念。
    • Strike Early and Strike Strong:
     疾患の早期段階から、強力かつ積極的に治療介入を行うという治療方針。

    ■参考資料

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