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2021.12.23

体重を管理しよう

目次

    肥満を避けよう

    肥満は循環器病リスクを増やします。
    それでは、肥満はどのように判定するのでしょう?

    肥満度の判定にはBMI(Body Mass Index)がよく用いられます。BMIは身長と体重から次の計算式を使って求めることができますので、自分のBMIも計算してみましょう。

    BMI(kg/m2) = [体重(kg)÷(身長(m)×身長(m)]

    自分のBMIはいくつでしたか?
    BMI 25.0kg/m2以上が肥満です。現在男性で3割、女性で2割の方が肥満といわれており、この10年間では特に男性で肥満の人の割合が増加しています。肥満は、糖尿病や脂質異常症、高血圧症などの生活習慣病の原因となります。BMI 22.0 kg/m2となる標準体重が生活習慣病予防のベスト体重ですので、まずは標準体重を目指しましょう。

    内臓肥満型肥満と皮下脂肪型肥満

    肥満には、「内臓脂肪型肥満」と「皮下脂肪型肥満」に分けられます。内臓脂肪型肥満は生活習慣病を発症するリスクが高いとされています。「内臓脂肪型肥満」はリンゴ型肥満と呼ばれ、下半身よりもウエストまわりが大きくなります。BMIが25.0kg/m2未満でも内臓脂肪が蓄積している「隠れ肥満症」にも注意が必要です。「皮下脂肪型肥満」は腰まわりやふとももなど下半身を中心に脂肪が溜まっており、「洋ナシ型肥満」とも呼ばれます。

    メタボリックシンドロームは「死の四重奏」

    メタボリックシンドロームは、内臓脂肪型肥満に、高血圧症、高血糖、脂質異常症が組み合わさる病態を指します。これら一つひとつが、動脈硬化を進行させる要因になるため、それらが組み合わさったメタボリックシンドロームという病態は「死の四重奏」とも呼ばれ、循環器病の大きなリスクなのです。
    メタボリックシンドロームは、腹囲、血圧、血糖、中性脂肪を検査し評価します。腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上は内臓脂肪型肥満が疑われます。それに加え、高血圧症、高血糖、脂質異常症のうち2つが当てはまるとメタボリックシンドロームの診断となります(表)。

    適正な体重とはなに?

    前にも説明したとおり、適正な体重とは標準体重のことです。標準体重は身長から計算され、BMI 22kg/m2となる体重が適正な体重ということになります。たとえば、1m70cmの方なら 1.7 ×1.7×22 = 63.58kg、これが適正体重。これより低くても高くても病気になりやすいといわれており、BMIが25kg/m2に達すると、高血圧症や脂質異常症の発症リスクがBMI 22kg/m2の時の2倍になるのです。ですので、健康長寿のカギは体重管理にあるといっても過言ではありません。

    体重管理をするためにはエネルギー収支のバランスが大切

    体重管理には運動と食事の管理が大切です。体重は食事から摂取するエネルギーの量と消費するエネルギーの量によって決められます。消費するエネルギーは、心臓を動かす、呼吸をする、体温を維持するなど、生きていくために最低限消費する「基礎代謝量」と立つ、歩くなどの生活活動と運動によって消費するエネルギーがあります。1日の消費エネルギー量以上のエネルギー(食事)を摂取すれば体重は増えます。そのため、体重を減らすためには、摂取するエネルギーの量を減少させるために食事の量を調整するか、消費するエネルギーの量を増加させるために活動量を増やすことが大切です。

    ① まずは毎日歩こう

    体重管理のために運動を習慣にすることが重要ですが、運動習慣のある人の割合は、男性で33.4%、女性で25.1%と少なく、年代別でみると男性は40歳代、女性は30歳代が最も低いです。歩数は男性で6,700歩程度、女性で5,800歩程度でした。「健康日本21」での目標値(20~64歳)は男性で9,000歩、女性で8,500歩としており、運動習慣と共に歩数も少ないのが現状です。まずは、達成しやすい目標としては歩数を増やすことから始めましょう。

    ② 有酸素運動を中心に続けよう

    運動習慣がある方は、体重管理には有酸素運動が有効です。有酸素運動は体脂肪の減少や血圧の低下などが期待されています。ウォーキングやジョギング、水泳などが有酸素運動の代表的な運動です。さらに、柔軟体操や筋肉トレーニングなどのレジスタンス運動も組み合わせるとより効果的です。

    運動の頻度や時間は、理想は毎日30分以上ですが、できることから始めましょう。10分間ずつを3回(合計30分)でもよいです。また毎日行うことが望ましいですが、週に3回程度でもまずは習慣化することが大切です。

    ③ 必要エネルギー量を計算しよう

    自分が毎日食べても太らないカロリーを知っていますか?このようなカロリーは「必要エネルギー量」とも呼ばれ、次のような計算式で求められます。

    必要エネルギー量 (kcal) = 標準体重 (kg) x 身体活動レベル(エネルギー係数)

    ここで「身体活動レベル」というのは係数で表され、「軽い労作」であれば25 ~ 30、「普通の労作」であれば30 ~ 35、「重い労作」であれば35 ~ 40がそれにあたります。通勤や家事、軽い運動を行う程度であれば、普通の労作になりますので、係数30 ~ 35が計算に使用する係数になります。やせるつもりなら30を採用し、体重を維持するつもりなら35を採用するのがよいでしょう。

    たとえば、身長170cmの人が「普通の労作」を行った場合の必要エネルギー量は次のように表されます。

    標準体重(1.7 m x 1.7 m x 22 =63.58 kg)x 普通労作(30)= 1907.4 kcal

    つまり、身長170 cmのひとは1日の総カロリー数を1907 kcal以下に抑えれば減量に成功する可能性が高いわけです。3食に分ければ1食635 kcalに抑えればよいということになりますが、実生活では3食とも同じ量であることは少ないでしょうし、また、間食やアルコールなどによりカロリーを摂取してしまうと、朝食、昼食、夕食から摂取できるエネルギー量はその分だけ目減りしてしまうので注意が必要です。

    ④ アルコールについて

    アルコールの飲み過ぎは、エネルギー摂取過剰につながるとともに中性脂肪が上昇します。お酒の適量は「アルコール量 20g以下」とされています。アルコール20gの目安は、ビールでは500ml、日本酒では1合(180ml)、ワインはグラス2杯(200ml)程度です。 お酒の場はコミュニケーションが取れ、ストレス発散になりますので、適度にお酒と付き合うことが大切です。また、週に2回以上お酒を飲まない「休肝日」を設けることも検討しましょう。

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