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2021.12.23

循環器病は防ぐことができる

目次

    日本人と循環器病

    脳卒中や心疾患をはじめとする循環器病は、日本人にとって国民病と言っても過言ではない病気です。
    死亡原因を見ると、心疾患(高血圧症を除く)は2020年には20万5518人と死因順位別で第2位であり、これは全死亡者の15%にあたります。脳血管疾患も7.5%を占めており、合わせると実に31万人以上の22.5%が循環器病で亡くなっています。

    また入院患者を疾患別にみても、循環器病は第2位の22万人以上・平均在院日数は3番目に多い38.1日です。循環器病に罹患すると入院も多くなり、長期間の入院加療が必要になります。

    さらに日本では高齢化による循環器病の増加により心不全が急増する「心不全パンデミック」が起こっています。現在120万人が罹患していますが、2030年には130万人に増加すると推測されています。心臓の状態が悪くなれば、それを維持するために様々な薬を飲む必要が生じ、日常生活において負担になる可能性もあります。

    このように循環器病は私たちの生命や生活の質に重大な影響を及ぼす疾患です。

    循環器病は予防できるの?

    循環器病は予防できる疾患です。
    予防の方法はとてもシンプルで、若いうちから生活習慣を意識すること。とはいえ、食事や運動に気を遣わなければならないと頭では分かっていても、『自分はまだ若いから』となかなか行動に移せない方も多いのではないでしょうか。

    しかし、その悪い生活習慣を長く続けていると、やがて高血圧症や糖尿病・動脈硬化を引き起こし、さらにそれらを放置すると心不全に進展していきます。
    『心不全になったらその時に生活習慣を見直せばいいや』という考え方は絶対にNG。なぜなら、心不全はだんだんと悪くなり、ステージが進行していく病気であり、一度進行すると後戻りが難しくなります。

    心不全のステージって何?

    心不全には4つのステージがあります。

    • 高血圧や糖尿病を有するが心臓の異常がなく症状のないステージA
    • 左室肥大や心拡大、心機能低下、弁膜症、心筋梗塞の既往などの構造的異常が出現しているが、症状のないステージB
    • 心不全を発症し、症状の出るステージC
    • 軽快増悪を繰り返すことでステージD

    ステージCに至ると、難治化し予後も良くありません。

    青年期や壮年期に多い、『健康診断で高血圧や糖尿病などの生活習慣病への注意を指摘された』というタイミングはまさにステージAにあたります。
    未病もしくはステージAの時点で生活習慣を意識し、循環器病の発症・悪化を防いで長く健康に生活出来るようにしましょう。

    参考

    政府統計 平成29年 患者調査の状況(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/10-20.html
    政府統計 令和2年 人口動態統計月報年敬(概数)の概況 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai20/index.html
    循環器病対策推進基本計画
    2019 ACC/AHA Guideline on the Primary Prevention of Cardiovascular Disease
    脳卒中と循環器病克服 第2次5ヵ年計画 ストップCVD(脳心血管病)健康寿命を達成するために

    (2021年11月5日閲覧)

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